舞踏譜
癩病院。
(舞踏家が、癩患者に、おまえは癩患者だよ、
とハンコを押される。最終的段階。
痛みの回路を通って、神秘な内奥へ。)
ベーコンの顔三つ。雨に濡れた鶏の亡霊。
ベーコンの顔のスローモーションが、
花、花空間に没する。
ベーコンの顔一つ、花、花空間。
ゴヤの絵の家族。
オルフェの顔が川に流れていく。
ゴヤの顔五つを、電髪を付けて繰り返す。
気化、俯瞰、膿、気化。
俯瞰、ベーコンの絵のヒヒの立体化。
百鬼夜行。疫病神。碁を打つ人になる。
解説
「痛み」の中のさまざまなバリエーションを具体的な形にして、さらに空間にまでかかわりながら、全体的には「どうしてよいか分からない」という踊りが生まれている。
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