土塊から幽霊へ


From Dry Dirt to Ghost

舞踏譜

  1. 土塊の人から、幽霊が出てきて、 さまよって、また土塊の人になって、 焼け痕でひきつる。
    幽霊の放心状態が壁に入り、 一個の表情になって出てきた。
  2. 人形から幽霊へ。
    畳の血痕を見る。顔を背ける。 足元から火がつく。幽霊へ。
  3. 土塊の人から幽霊へ。
    馬に乗る土塊の幽霊。 焼け痕のかさぶたの人。 髪の毛で、子供を隠す幽霊、ウブメ。 土塊に戻る。 再び幽霊。沼を渡るハイヒールの足。
  4. 影を引きずってきて、壁の中に入る。
    壁の中から重い首が出てきて、さまよう。
  5. 藁屑が壁の中から出てくる。
    デビュッフェ、ひょうきん者、 針金だけの人物に近い。)
  6. 壁の中から出てきて、 また壁の中へ消えていく土塊の人物。
  7. 焼け跡の幽霊が釣られていって、気化。
解説
「〜から〜へ」という言葉の中身こそが踊り。変化を追うのでなく、さまざまな人物がどのような「間」で出没しているのかをつかまえることが重要。
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