仮想舞台

身体は時間と空間がびっしりとつまった壁だ。壁を構成するさまざまな材質。土でできた、かろうじてフォルムをつなぎとめている人が壁に塗り込められる。材質を変えることで変貌していく身体のテクスチャー。いくつもの壁が空間に築かれる。

廃墟

舞台作品『舞踏花伝』(1996年)より

花や動物の豊かなフォルムの世界からさらに解体が進み、すべてのものが石や土、砂粒に還元される砂漠への入り口に迷い込んでしまった。ポロポロと崩れやすい土壁の廃虚に棲む怪物や餓鬼たち。立とうとすると崩れてしまう。

風に耐えている位置で記憶されるもの

慶應義塾大学アート・センター「動きのアーカイブ」(2005年)より