舞踏譜
行方との対話。
空間との対話。
亡霊との対話。
村の入り口。
村は死んだように静かだった。
幽霊はすさまじい速度で変貌している。
幽霊はときどき人間の仕草を真似ることがある。
希薄なものが周りの事物に溶け込んでいる。
千本の枝を見る目、
その伸びる音を耳の後ろで聞いている。
幽霊の時間の正確さ。
無数の視線に解体されている。
白い花の咲き乱れている、
時空のないところへ。
日本庭園。
かつてあった時空間に関わる。
ちょっとした指先に、名残が残っている。
靄、霞、うつろい。
軽いものがさらに粒子化していく。