舞踏譜
変な神経病患者。
曖昧な形を残さないで
神経の速度の踊りにすること。
王冠を付けた、仮面の、変な患者が出てきた。
便所の牛を人物体にしている。
回転扉。石の顔。
出てきたときはすっかり世界は変わっていた。
もう一つの仮面。患者がまた、さまよった。
空間に付いた仮面を引き剥がす。
頭上の目、身体の浮き沈み。
その極限で不能のあくび。
頭をサクッと割られる。
背後の目、タンポポ。
一歩出ようとしたら、足元からの目。
鼈甲飴が一回転。枯れ木になった。
(はっきり可視的に。)左手の単独の動き。
右足元の蛭。流星。瓶の中の子鹿。
響き、メスカリン。
自分で自分を、秤に掛けている。
回転扉。ヤモリ、蜘蛛の巣。空間の昆虫。
指先の鍵穴。植物の軌跡を辿る。
口の中の桃の毛。口元がかゆい。
足元の火事。
神経病患者が下がっていった。
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解剖図鑑の世界溶けて癒着した不定形な重い肉の塊がだんだんと落ちてゆき、神経のみがあらわとなり、ついに塵となって空間に消えていってしまう。
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変な王子