舞踏譜
鼈甲飴。
材料を溶かしたものが、冷えて固まって、
飴色のフォルムがカチッと出現する。
分離と再合成。
鈍い光沢。闇と光を延ばしている。
飴の薄いところと濃いところ。
少し欠けても売り物にならない。
材料の工程で冷えてしまった、雑巾の飴。
動物から植物へ。鳥、牛。鳥、馬。
一体の鼈甲飴から、
もう一体の鼈甲飴を出現させてみよう。
飛躍。ブリッジが踊りだ。
三歩、歩くうちに変わっていた。
幽霊は素晴らしい速度で変貌する。
歩いてきた人が鳴りものになった。
怠惰な草一本そよがなくては、
我々は動くこともできない。
劇薬も少々。
濡れたものが乾いていく。
粒子状のものが固まっていく。
様々な断片が、合体していく。