舞踏譜
ビアズレーの淀みの糸が絡まって、 太くなって、湿気を帯びて、馬の首。
顔が重層して、仮面。
森の中へ入る。風に吹かれて回り込み 視線に溶解されて、沼の馬。
子供をくわえた幽霊。
重い首、行方、空間の巨大な魚を見る。
鼻毛の鳥、蛾、濡れて変な動物が、 ズルズル回って退場。
解説
硬いものからやわらかいものへの変貌のプロセス。
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焼け落ちた橋の世界戦争の焼け跡に立つ。大火災によりすべてが消失したあともまだ、あっちこっちで煙がくすぶっている。その場所に立つ火傷をした人物。喪失感。放棄。無力感。
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