舞踏譜
虫に喰われることで。
壁に塗り込められた人。
(ぼろぼろと崩れる粒子だけでできている人。)
それは空中に浮かんだ一匹の昆虫
(カサカサに乾いている内臓)が
薄い紙の上でダンスを踊っている。
カサコソと粒子に関わっている虫。
ちょっとでも触ると ぼろぼろと崩れてしまいそうな 脆い人になってさまよう。
関連舞踏譜
解剖図鑑の世界溶けて癒着した不定形な重い肉の塊がだんだんと落ちてゆき、神経のみがあらわとなり、ついに塵となって空間に消えていってしまう。
アウシュヴィッツの歩行深淵の世界
幽霊神経病棟の世界森の中に分け入っていき、空間を全身で知覚する。
森から沼へ