舞踏譜
焼け跡の人。
下痢に雨が降った。なす術がない。
やろうと思ったことはすでに行われている、 という状態が、壁になる。
一枚の家族写真の中の人物が、沼に没した。
沼の中から、ペガサスの馬、
闇を抱えて上がってくる。
膿のヤギがモズの声を聞いて、 火傷の人物、 焼けただれた果樹園をさまよう。
解説
戦争の焼け跡に立つ。大火災によりすべてが消失したあともまだ、あっちこっちで煙がくすぶっている。その場所に立つ火傷をした人物。喪失感。放棄。無力感。
関連舞踏譜
壁の世界自分の身体が一枚の板戸のようになって立ちつくす。前へ進もうと思っても進めない。背後に関わる踊り。
風に耐えている位置で記憶されるもの神経病棟の世界
メスカリン