鳥の巣の歩行


The Bird's Nest Walk

舞踏譜

高い梢の上の鳥の巣を見ている。
目は完全にその鳥の巣に奪われている。

巣の大きさ、色、そこにいる雛達の目の色、 嘴の形、鳴き声。

右手にはとりもちを持って、 鳥に感づかれないように、 そおっと近寄っていく。
まるで囚われた者のように。

数歩歩く。
と見る間に、その鳥の巣を見ていた目の中に 巣が入ってきてしまった。

空間に溶け込んでしまった巣、 バラバラに空中分解してしまった巣。

解説
見ることは奪われることと同義。
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