舞踏譜
地獄絵から。骨と皮だけでできている。
骸骨に皮をかぶせている。
ガチャガチャ、カサコソ。神経も骸骨。
餓鬼体二つ。ゴヤから編み物をしている老婆。
笑う盲。人差し指。ピカソの泣く女。
肩盛り上げて仮面、崩れるズブズブ。
餓鬼の歩行、四体。
ある場所で舌を出したり、じっと止まったり。
カサカサのドライフラワーの顔。
(内部に塗り込められる顔、
前方にぶれていく顔・ミショーの三つの顔が
内部へ。)
闇の中の百鬼夜行。
(土塊でできている。
ぽろぽろと崩れていく
恐怖に追いすがっているフォルム。
凝縮して、カサカサに乾いている。)
疫病神。
(毛がフワーッとした中に、一瞬の顔が見えた。
すぐ消えてしまう。)
餓鬼に電髪。
これをカサカサに乾かして、細さを出す。
よじれ、ビニール。
足の指の神経の痙攣。
さらに固まって、乞食。カトンボ、関節の崩れ。
解説
地獄に落ちた亡者の群れ。極度の空腹。しかし、食物を口に持っていくと、煙になって消えてしまう。救われない者たち。細かく分かれた何種類かの乾いた材質を身体化する。
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